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Lee-Byung-hun addicted

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第6話

Cupido×Cupido(6)

「ただいま~。揺帰ってる?」
「う~~~ん。お帰り~。今ちょっと手が離せない。」
ビョンホンが慌てて声のする裏庭に行くと揺は犬にブラシがけをしていた。
ビョンホンはそんな揺の肩を抱き軽くキスをした。
「おお、揺んち犬飼ってたの?」
「ううん。これは不二子さんちの『トムクル』」
「『トムクル』?まさか不二子さん、トム・クルーズのファンだったりして。」
「ご名答」揺は笑いながら言った。
「『トムクル』ねぇ~。ねえ、うちの『ダリ』に似てない?」
「やっぱり、そう思った?私もね、初めダリ君に会った時そう思ったのよ。彼今や有名犬だものねぇ~」揺は感慨深そうに言いながらまた、「彼」にブラシをかけた。
「で、どうだった。私の演技」揺は自信満々に言った。
「結構、いけるよ。彰介びびってたもん。実は俺も途中から本当に怒ってるんじゃないかと思ってビビッてた。映画館で手をつないでくれなかったらショックで肝心の映画が観られないところだったよ。」ビョンホンは笑いながら言った。
「あなたこそ、さすがよね。本当に嫌なやつだって思いかけたわ。私もあそこで手をつながなかったら映画どころじゃなかったわ」
「映画館から出てきてからもアドリブとは思えない白熱した演技だったわよね。我ながら」
満足げに頷く揺。
「ああ、怖かったよ。本当に君は怒らせると怖い。気をつけなきゃ」ビョンホンはそういうとケラケラと笑った。
「あっ、時間大丈夫?何時の飛行機?」
「羽田20:00」
「じゃあ、急いで夕飯作るね。空港まで送ってくわ。」揺は立ち上がりながら言った。
「その前にキスしていい?」ビョンホンは軍手をはめてブラシを持ったままの揺に言った。
「こんな私で良ければ是非どうぞ」
日が落ちかけた庭の片隅で両手を挙げたままの揺を彼はぎゅっと抱きしめた。
足元ではトムクルがなぜか嬉しそうに尻尾を振っていた。
「ワンッ!」
「いい子だから邪魔しないでね。今いいところなんだから」
揺はトムクルにそういうと気持ち良さそうに目を閉じた。
キスをしながらビョンホンはトムクルに向かって微笑みながらウインクした。
「く~~~~~ん。」トムクルは仕方なさそうにその場で伏せをした。

「旨いよ。これ。韓国人もビックリだね」
ビョンホンはキムチチャーハンをほおばりながら言った。
「ごめんね。ありあわせで。キムチはお母さんの味に結構似たやつを新大久保で見つけたからそれを買ってるの。なかなかでしょ。しかし、逗子の家であなたが作ってくれたチャーハン美味しかったなぁ~」揺は懐かしそうに物思いにふけった。
「あんなんで良かったらいつでも作ってやるよ。」
「本当?だったら今日も作ってもらえばよかった。」
「今日はだめだよ。今日は僕が君の作ったご飯が食べたいと思っていたから。今度ソウルに来たらだな。あ~食った食った。ご馳走様でした。」
ビョンホンはチャーハンをペロリ完食してお腹をさすりながら言った。
「え~~~っ、じゃあ、このまま一緒に行きたいよ~。」揺は悔しがりながら言った。
「キムチチャーハンが食べたくて言ってるんだか僕と離れたくなくて言ってるんだか。」
ビョンホンは呆れたように笑って言った。
揺は確かにキムチチャーハンも食べたかったが彼と離れたくない気持ちが募るばかりだったのも事実だった。
会えば会うほど知れば知るほど彼のことが忘れられなくなっていく。
(彼が忙しくなって連絡できなくなったら・・私大丈夫かしら。)最近の自分の姿を冷静に見つめるとこれからの離れ離れの生活に堪えられるかどうか急に不安になる時があった。
ぼ~っと考え込む揺の顔を覗き込み彼は見透かしたかのように揺にキスをした。
「大丈夫。僕を信じて」
彼のキスはオモニのキムチの味がした。揺の心は急に温かくなった。


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